
CLINIC
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こんにちは。アンデュースキンケアクリニック院長の山崎です。
9月になり、暦の上では秋とはいえ、まだまだ真夏のような日差しに驚かされる日が続きますね。
最近の私はというと、合間を見つけてはカフェ巡りを楽しんだり、休日はリフレッシュを兼ねて健康ランドに通ったりと、ささやかなマイブームを満喫しています。美味しいコーヒーに癒されたり、大きなお風呂でゆったりと過ごす時間は、心身をリセットする大切な「自分を整える」時間になっています。
季節の変わり目や日々の忙しさの中で、知らず知らずのうちにお肌や体も疲れがちです。そんなときこそ、自分自身のコンディションにしっかり目を向けることが大切ですね。
そこで今回のコラムでは、「肌を整える」という視点から、当院で人気のレーザートーニングをご紹介します。 "トーニング(toning)"とは、もともと「トーン(tone)=色や音の調子」を整えるという意味を持ち、美容分野では肌の色ムラやくすみを整える目的で行われる施術です。
今回は、以前から肝斑に悩んでいた当院スタッフが実際にレーザートーニングを体験しました。さらに、効果をより高めるため、肝斑に有効なトラネキサム酸を肌に直接導入する「ケアシス」の施術、トラネキサム酸の内服治療も併用しました。施術中の様子やビフォーアフターを交えながら、レーザートーニングの魅力を詳しくご紹介していきます。
レーザートーニングは、Nd:YAGレーザー(ネオジムヤグレーザー)と呼ばれる、波長域1064 nm(ナノメートル)のレーザーを低出力で顔全体に照射していく治療です。1064nmという波長は真皮層まで届き、肌深部までアプローチが可能です。また、最大10Hz(1秒間に10ショット)の高速連射が可能で、まるでシャワーのように優しく、広範囲にレーザーを照射することで、負担を抑えながら肌全体を効率よく治療していきます。
アンデュースキンケアクリニックでは、FDA(アメリカ食品医薬品局 ※1)で認可を受けた、ルートロニック社のスペクトラという機械を使用しています。一般的なレーザー機器は「中心が最も強く、周辺が弱いエネルギー分布を持つガウシアンビーム」が採用されていることが多く、エネルギーが強い部分が肝斑を悪化させてしまうリスクがありました。一方、スペクトラは「エネルギーが均一に広がるトップハットビーム(フラットビーム)」を採用しており、肌への刺激を抑えながら、ムラなく肝斑治療を行える点が大きな特長です。
※1:FDAとは、アメリカにおいて医薬品・医療機器・食品などの有効性や安全性を確保し、正確で科学的根拠に基づいているかを取り締まっている機関です。
レーザートーニングは「肝斑治療」のイメージが強いかもしれませんが、肌全体のトーンを均一に整えたり、色素沈着・くすみ・ハリ不足といった複合的なお悩みにも効果が期待できる治療です。
1064nmの低出力レーザーは、メラニンを穏やかに分解しながら、真皮層の線維芽細胞を刺激します。線維芽細胞が刺激されることにより、コラーゲンやエラスチンの産生が促進されハリやツヤが生まれてきます。
今回も当院のスタッフが、実際にレーザートーニングを体験しました。ビフォーアフターの写真とともに、施術の様子をご紹介します。30代中盤から肝斑が現れはじめ、徐々に濃くなってきたのが悩みとのこと。肝斑の範囲自体は比較的狭いものの、はっきりとした色味が確認できました。
当院では、肌の状態を丁寧にカウンセリングしたうえで、レーザートーニング・ケアシス・トラネキサム酸内服・外用薬などを組み合わせて治療を行うことが多く、今回の症例ではレーザートーニング・ケアシス・内服薬を併用しています。
ケアシスの詳細に関しては、以前コラムでご紹介していますので、ご興味がある方はぜひそちらもご覧ください。
【以前の記事】「ケアシス(エレクトロポレーション)とは?しくみや効果、施術の流れや注意点などについてまとめました」はこちら
Q.施術中の痛みはありますか?
A.レーザートーニングでは、1秒間に最大10ショット照射できるレーザーを低出力で優しく肌にあてていきます。 施術中は「パチパチ」と弾かれるような軽い刺激を感じることがありますが、痛みが強い場合は出力を調整できますので、遠慮なくお申し出ください。
Q.ダウンタイムはありますか?
A.施術後に赤みが出る場合がありますが、通常当日中に徐々にひいていきます。一時的に角質がポロポロむけたり、ニキビができることがありますが、これはターンオーバーの促進による一時的な症状で、数日~1週間程で落ち着きます。
Q.いつから効果が出ますか?
A.個人差はありますが、診察で拝見する際に「4~5回程で徐々に効果を実感できた」とご感想をいただくことが多いです。肝斑は強い刺激を与えると悪化するため、徐々にメラニン色素を分解していくことが大切です。そのため、1回の施術では目に見える肝斑の改善は難しいですが、レーザーが顔全体の産毛も除去してくれるので、施術直後から化粧ノリが良くなったと感じる方も多いです。また、レーザートーニングは真皮層までエネルギーが届くため、コラーゲン生成が促進され、徐々に肌にハリが出てくるという美肌効果も期待できます。
肝斑の改善には個人差がありますが、当院ではまずは1~2週間に1回のペースで4~8回の施術をおすすめしています。改善が見られれば施術の間隔を空けたり、内服薬のみへと移行したりと、経過を見ながらお一人おひとりに合ったプランをご提案しています。
レーザートーニングを用いた肝斑の治療は、臨床研究や論文でも下記のような成果が報告されています。
◆2010年/タイ/被験者35名/週1回×10回の施術を行った結果、66.7%に改善が見られました。(Polnikorn N.2010)
◆2012年/日本/被験者8名/週1回×4回の施術を行った結果、全員に肝斑の改善・減少が見られました。(日本人女性対象のスプリットフェイス試験)
◆2016年/韓国/被験者22名/隔週1回×5回の施術を行った結果、60%に有意な改善が見られました。(Jee Young Kim et al.2016)
肝斑は、ホルモンバランス・紫外線・摩擦・ストレスなどが複合的に関与して発生する、デリケートな色素性疾患です。従来のレーザーでは刺激が強すぎて逆に肝斑を悪化させてしまうこともありましたが、レーザートーニングは低出力でやさしく照射し、メラニンを徐々に分解するため、肝斑に適した治療法とされています。
照射エネルギーが均一な「トップハットビーム」を採用することで、刺激を抑えながら肝斑を改善することが可能です。
シミやくすみの原因であるメラニンは、紫外線を主な要因として発生します。紫外線から細胞を守るためにメラニンが作られますが、通常は肌の新陳代謝によって角質となり自然に排出されます。しかし加齢や生活習慣の乱れなどで新陳代謝が滞ると、肌の中にメラニンが残ってしまいそれがシミやくすみの原因となります。
レーザートーニングは、低出力の1064nmレーザーで広範囲にやさしく照射することで、肌表面や真皮に残るメラニンを少しずつ分解していきます。ダウンタイムを抑えながら、肌全体の色ムラやくすみを均一に整えることができ、明るく透明感のある印象へ導きます。
色素沈着にはさまざまな原因があります。たとえば、ニキビや湿疹、怪我などによる炎症後色素沈着(PIH)、あるいは摩擦や刺激による慢性的なダメージが挙げられます。これらは肌を守ろうとしてメラニンが過剰に生成されることで、ターンオーバーで排出しきれなくなり、茶色〜黒っぽい色ムラとして残る状態です。
レーザートーニングは、表皮から真皮にかけて蓄積したメラニンにアプローチできるため、ニキビ跡の色素沈着や、摩擦による茶グマや色ムラの改善にも効果が期待できます。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、青みがかったグレーのような色素斑が頬や額、鼻の横などに現れる疾患で、真皮の深層にメラノサイト(色素細胞)が存在している状態です。
通常のスキンケアでは届かない深い層の色素に対しても、1064nmという真皮層まで到達可能な波長を持つレーザートーニングは、ADMにも有効とされています。回数を重ねて治療することで、徐々に色素が薄くなり自然に目立たなくなっていきます。
レーザートーニングは、色素ケアだけでなく肌のハリや弾力アップにも効果があります。1064nmのレーザーは真皮層に穏やかな熱刺激を与えることで、線維芽細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチンの産生を促進します。その結果、キメの整ったふっくらとしたハリのある肌へと導くことができ、毛穴の開きやちりめんジワのケアにもつながります。
レーザートーニングは、産毛の除去や角質の代謝促進にも関与するため、施術後すぐに「化粧ノリが良くなった」と感じる方が多いのも特長です。また、肌全体のトーンが整うことで、ファンデーションの色が浮きにくくなり、素肌の質感そのものが底上げされたような印象になります。
レーザートーニングの治療についてご興味のある方、是非お気軽にご相談ください。
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PROFILE
山崎 和紀(やまざき かずのり)
杏林大学医学部 卒業
杏林大学医学部附属病院 勤務
名古屋大学医学部附属病院形成外科 勤務
静岡済生会病院形成外科 勤務
虎の門病院形成外科 勤務
東京西徳洲会病院形成外科部長就任
2018年アンデュースキンケアクリニック院長就任
日本専門医機構形成外科領域専門医
日本美容皮膚科学会正会員
サーマクール認定医
アンデュースキンケアクリニック
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