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2024.08.19【医師が解説】ニキビの治療(保険診療)

こんにちは、アンデュースキンケアクリニック院長の山崎です。
今回は前回に引き続き、ニキビの重症度・治療(保険診療)について、詳しくご紹介させていただきます。


【前回の記事】「ニキビとは・種類と症状・原因・重症度」はこちら

【次回の記事】「ニキビの治療(自費診療)・施術の流れと頻度」はこちら


5.ニキビの治療(保険診療)

5-1.外用薬

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ニキビの原因や症状、肌状態によって、適した治療や薬は異なります。
当院では、医師が診察で状態を確認したうえで、必要に応じて複数の薬剤を組み合わせながら、お一人おひとりに合った治療をご提案しています。
まずは、当院でよく使用している代表的な外用薬についてご紹介します。

① 外用抗菌剤

当院では、ダラシンTローションという名称で処方している外用薬です。
ダラシンTローションは、アクネ桿菌が増殖する際に必要なたんぱく質の合成を抑えることで、菌の増殖を抑制し、炎症性ニキビの改善をサポートする抗菌薬です。
使用感としては、ヒリヒリ感などの刺激が比較的少ないのが特徴です。ただし、抗菌薬を長期間使用すると、薬剤耐性といって、アクネ桿菌に対して薬が効きにくくなる可能性があります。そのため、急性炎症期を中心に使用し、必要に応じて使用期間を調整していくことが大切です。

② 過酸化ベンゾイル

当院では、ベピオローションという名称で処方している外用薬です。
過酸化ベンゾイルには強い酸化作用があり、アクネ桿菌に作用して菌の数を減らすことで、赤ニキビの改善をサポートします。また、角質層のたんぱく質を変性させ、古い角質を剥がれやすくする作用もあります。そのため、毛穴詰まりを改善し、白ニキビや黒ニキビにも効果が期待できます。ベピオローションは、2023年5月に発売された比較的新しい剤形です。従来のベピオゲルに比べて水分含有率が高く、独特のヒリヒリ感や刺激感が軽減されやすい点が特徴です。一方で、角質を剥がれやすくする作用により、乾燥や刺激を感じることがあります。そのため、使用中は保湿剤を併用し、肌状態を見ながら継続していくことが大切です。

③ アダパレン

当院では、ディフェリンゲルという名称で処方している外用薬です。
アダパレンは2008年に保険適用となった薬剤で、それ以前は主にアクネ桿菌を減らす抗菌薬による治療が中心でした。アダパレンには、アクネ桿菌を直接減らす作用はあまりありませんが、毛穴詰まりを改善し、ニキビの発生を抑える目的で使用されます。
顆粒層から角質層へ変化する過程に働きかけ、角質が厚くなりすぎるのを防ぐことで、ターンオーバーを整えます。ターンオーバーが正常に近づくと、毛穴の出口が詰まりにくくなり、白ニキビや黒ニキビ、ニキビになりかけの初期段階にも効果が期待できます。
そのため、今あるニキビを改善するだけでなく、新しいニキビをできにくくする予防的な役割もあります。

ディフェリンゲルが登場する以前は、ターンオーバーを整える治療としてケミカルピーリングなどの院内施術が中心でした。ディフェリンゲルの登場により、ご自宅でも毛穴詰まりに対する治療を継続できるようになった点は、大きな特徴です。一方で、使用開始後はヒリヒリ感、赤み、乾燥、皮むけなどの刺激症状が出ることがあります。そのため、最初は少量から始めたり、保湿剤を併用したりしながら、肌状態に合わせて上手に継続していくことが大切です。

④ 保湿剤

当院では、ヒルドイドヘパリン類似物質という名称で処方している外用薬です。
肌が乾燥すると、うるおいを補おうとして皮脂分泌が増え、毛穴詰まりやニキビの悪化につながることがあります。そのため、ニキビ治療においても、皮脂分泌やバリア機能を整えるために保湿ケアはとても大切です。特に冬場や乾燥しやすい時期は、化粧水や乳液だけではうるおいが蒸発しやすいため、必要に応じて保湿クリームで水分を閉じ込めることもおすすめです。

ヒルドイドには軟膏やローション、ヘパリン類似物質外用薬には泡タイプやスプレータイプなどがあり、肌状態や使用部位、使いやすさに合わせて選択しています。

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ヒルドイドソフト軟膏:しっかり厚く塗りたい時・部分(特に乾燥している・ヒリヒリ感がある所)
ヒルドイドローション:さらっとしているので朝のメイク前やべたつきが苦手な方向き
ヘパリン外用泡状スプレー:広範囲に薄く素早く広げたい時
ヘパリン外用スプレー:広範囲に噴霧したい場合や手が届かない所に塗りたい場合(ボトルをさかさまにしても噴霧できます)


5-2.内服薬

外用薬だけでなく、内服薬を併用することで、より効果的な治療が期待できる場合があります。内服薬には、炎症が強い時期に短期間使用するものと、肌質や体質を整える目的で長期的に継続するものがあります。
長期的に内服する薬については、効果を判断するためにも、まずは3か月以上を目安に継続することが大切です。学校やお仕事などで忙しい方は、飲み忘れが多くなったり、「毎日飲むのが面倒」と感じたりすることもあるかもしれません。しかし、外用薬と内服薬を組み合わせることで、ニキビの改善をよりしっかりサポートできます。無理なく続けられる方法を一緒に考えながら、まずは最低3か月を目標に継続していきましょう。

① 抗生物質

当院では、ルリッドという名称で処方している内服薬です。
アクネ桿菌を減らし、赤ニキビなどの炎症を抑える目的で使用します。当院で処方している薬は、マクロライド系と呼ばれる種類の抗生物質で、細菌が増殖する際に必要なたんぱく質の合成を妨げることで、アクネ桿菌の増殖を抑えます。また、免疫細胞にも作用し、ニキビの炎症に関わる成分を抑える働きも期待できます。
抗生物質は炎症を伴うニキビに有効ですが、長期間使用しすぎたり、自己判断で途中で中止したりすると、薬剤耐性が生じ、十分な効果が得られにくくなることがあります。耐性ができた場合は薬剤の変更が必要になることもあるため、医師の指示通りに服用し、短期集中で治療していくことが大切です。

② ビタミン系

・シナール

ビタミンCであるアスコルビン酸と、ビタミンB群の一種であるパントテン酸カルシウムを組み合わせた内服薬です。
ビタミンCには抗酸化作用があり、活性酸素が過剰に発生するのを抑える働きがあります。活性酸素は本来、殺菌・抗菌に関わる大切な役割を持っていますが、過剰に増えるとアクネ桿菌だけでなく正常な肌にも影響し、炎症を悪化させる原因になることがあります。ビタミンCを補うことで、ニキビの炎症やニキビ跡の赤み、色素沈着の改善をサポートします。一方、パントテン酸は糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関わるビタミンで、皮脂分泌を整える働きが期待できます。また、肌のバリア機能をサポートし、新しいニキビができにくい肌づくりにも役立ちます。
ビタミンCとパントテン酸を一緒に摂取することで、ニキビやニキビ跡の改善を内側からサポートしていきます。

・ユベラ

ビタミンEの内服薬です。
ビタミンEには血行を促す働きがあり、肌のすみずみまで栄養や酸素が届きやすい状態をサポートします。血行が整うことで、肌のターンオーバーが促され、古い角質が自然に剥がれ落ちやすくなります。ニキビ肌の方はターンオーバーが乱れていることも多いため、肌の生まれ変わりを正常に近づける目的で使用します。
また、ビタミンEにはビタミンCと同様に抗酸化作用があります。そのため、シナールと併用することで、ニキビやニキビ跡の赤み・色素沈着の改善をよりサポートしやすくなります。

・ビタメジン

ビタミンB6の内服薬です。
ビタミンB6には、皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあり、肌のコンディションを整えるために使用します。また、ニキビの原因のひとつである皮脂分泌を調整する働きも期待できるため、新しいニキビの予防にも役立ちます。さらに、ニキビの炎症後にメラニン色素が過剰につくられるのを抑えることで、色素沈着の予防もサポートします。

・ビオチン

糖質・脂質・たんぱく質の代謝を助けるビタミンB群の一種です。
特に脂肪酸の代謝に関わり、正常な角質層の形成をサポートすることで、肌のバリア機能を整える働きが期待できます。肌のバリア機能が低下すると、乾燥や外部刺激の影響を受けやすくなり、ニキビや肌荒れにつながることがあります。ビオチンは、こうした肌の土台を整える目的で使用します。
また、炎症やかゆみに関わるヒスタミンの働きを抑える作用もあるとされ、赤みやかゆみを伴う肌トラブルのサポートにも役立ちます。

・ハイチオール

L-システインの内服薬です。
L-システインはアミノ酸の一種で、肌のターンオーバーを整える働きがあります。ターンオーバーが正常に近づくことで、古い角質が自然に剥がれ落ちやすくなり、毛穴詰まりの改善やニキビの治癒をサポートします。また、シナールやユベラと同様に抗酸化作用があり、ニキビ後の赤みや色素沈着の改善を助ける目的でも使用します。

③ 漢方

・十味敗毒湯(じゅうみばいどくとう)

10種類の生薬を組み合わせた漢方薬です。
赤みやかゆみ、炎症を伴うニキビに対して使用することがあります。血行を促して肌のめぐりを整えるとともに、炎症を落ち着かせ、膿がたまりにくい状態へ導く働きが期待できます。そのため、赤ニキビや黄ニキビなど、炎症が強いニキビの改善をサポートします。
また、肌が炎症を起こしにくい状態を目指す目的で、予防的に使用することもあります。漢方薬は、体質や症状に合わせて継続的に内服することで効果を発揮しやすい薬です。
短期間で判断せず、医師の指示に沿って続けていくことが大切です。

・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

17種類の生薬を配合した漢方薬です。
炎症を鎮め、体内にこもった熱を発散させる働きがあるとされています。熱感を伴う炎症性のニキビや、細菌の増殖によって悪化しやすい白ニキビに対して使用することがあります。また、炎症を抑え、赤みや腫れを落ち着かせるサポートも期待できます。
十味敗毒湯と同様に、体質や症状に合わせて継続的に内服することで効果を発揮しやすい薬です。医師の指示に沿って、一定期間続けていくことが大切です。


5-3.面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)

面皰圧出は、ニキビに細い針で小さな穴を開け、専用の器具を使用して毛穴に溜まった膿や皮脂を押し出す処置です。当院では、針は毎回新しいものを使用し、器具も滅菌した清潔なものを使用しています。ご自身でニキビを潰してしまうと、清潔な状態を保つことが難しく、感染や炎症の悪化、ニキビ跡につながる可能性があります。
医師が肌状態を確認したうえで適切に圧出を行うことで、炎症を早く落ち着かせ、ニキビの改善をサポートします。


今回のご紹介はここまでです。次回更新は9月中旬ごろ、「ニキビ治療の自費診療・施術の流れと頻度・まとめ」をご案内いたします。 ニキビ治療についてご興味のある方、是非お気軽にご相談ください。

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PROFILE

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山崎 和紀(やまざき かずのり)

杏林大学医学部 卒業
杏林大学医学部附属病院 勤務
名古屋大学医学部附属病院形成外科 勤務
静岡済生会病院形成外科 勤務
虎の門病院形成外科 勤務
東京西徳洲会病院形成外科部長就任
2018年アンデュースキンケアクリニック院長就任

日本専門医機構形成外科領域専門医
日本美容皮膚科学会正会員
サーマクール認定医


アンデュースキンケアクリニック
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