CLINIC
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こんにちは。アンデュースキンケアクリニック院長の山崎です。
7月・8月は学校が夏休みに入ることもあり、学生さんの患者様のご来院が増える時期です。
この季節は、汗や皮脂の分泌が増えやすく、部活動や屋外での活動、紫外線の影響なども重なり、ニキビや肌荒れのご相談をいただくことが多くなります。
実は私自身も、学生時代はスポーツが好きで、大学生の頃はボート部に所属していました。意外と言われることもありますが、夏休みには相模湖などで合宿や練習を行い、今では「美肌のために日焼けは控えてくださいね」とお伝えしている立場でありながら、当時は真っ黒に日焼けしていました。今ほど美容やスキンケアに気を配っていたわけでもなく、部活動でたくさん汗をかく生活を送っていたため、私自身もニキビや肌荒れに悩まされた経験があります。
また、近年はマスク着用の機会が増えたことで、長時間の着用による蒸れや摩擦が原因となり、ニキビができやすくなったというご相談も少なくありません。マスクの着用義務がなくなった後も、「ニキビや肌荒れが気になって、逆にマスクを外せなくなってしまった」というお声をいただくこともあります。
このように、ニキビの原因は汗や皮脂、紫外線、摩擦、生活習慣、ホルモンバランスなどさまざまです。思春期の方だけでなく、大人の方でも繰り返すニキビに悩まれている方は多くいらっしゃいます。そこで今回は、子どもから大人まで多くの方が悩まされるニキビについて、詳しくご説明いたします。
【次回の記事】「ニキビの治療(保険診療)」はこちら
【次々回の記事】「ニキビの治療(自費診療)・施術の流れと頻度」はこちら

ニキビは、正式には尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)と言い、古くなった角質や皮脂、細菌などが影響して毛穴が詰まり、炎症を起こす慢性的な皮膚疾患です。
ホルモンの影響を受けやすいため思春期以降によくみられますが、成人後もニキビに悩まされる方は少なくありません。主に顔、胸、背中など皮脂分泌の多い部位に発生しやすく、毛穴の中で細菌が増殖することで炎症が進んでいきます。診断に特別な検査を必要とすることは少なく、ほとんどの場合は視診や問診によって診断します。ニキビは非常に多くの方が経験する身近な皮膚疾患ですが、「誰にでもできるもの」と考えて受診をためらう方もいらっしゃいます。しかし、ニキビ治療は早く始めるほど経過が良好になりやすいとされています。悪化してから治療を始めると、改善までに時間がかかるだけでなく、炎症が長引いた結果、赤みや色素沈着、ニキビ瘢痕、クレーター状のへこみとして残ってしまうことがあります。
「この程度で美容皮膚科に行ってよいのか」
「大げさではないか」
「ニキビを相談するのが恥ずかしい」
そのように感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ニキビは早めに適切な治療を行うことが大切です。お悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
当院では、ニキビ治療が初めての方や未成年の方は、保険診療から開始し、経過を診ながら治療方針を検討していくことが多いです。 一方で、保険診療を続けても改善が乏しい方、治ってもすぐに悪化を繰り返してしまう方、ニキビを予防したい方には、自費診療をご提案する場合があります。
自費診療では、ピーリングやレーザー、導入治療など、保険診療よりも選択肢が広がり、肌状態や目的に合わせた治療を組み合わせることができます。 また、入学式や卒業式、結婚式などの大切なイベントに向けて早めに肌状態を整えたい方や、他院で治療を続けても改善が見られずセカンドオピニオンとしてご来院される方の中には、初めから自費診療をご希望されるケースもあります。
カウンセリングでは、現在のお悩みやこれまでの治療歴、肌状態を丁寧に確認し、お一人おひとりに合った治療方法をご提案いたします。
ニキビには種類があり、白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビ、紫ニキビに分類されています。悪化の段階によって症状はさまざまです。
ニキビの中で最も初期段階の症状です。
角質で毛穴が塞がれ、皮脂が溜まることで白く盛り上がってしまった状態です。無理やり押しつぶしたり、不衛生な手で触れたりすると炎症が起き、悪化してしまいます。

白ニキビからやや悪化した症状です。
詰まった皮脂と汚れが毛穴に収まりきらず、皮膚表面に飛び出して空気に触れることで酸化し、黒く変色した状態です。

黒ニキビからさらに進行した症状です。
赤ニキビは炎症ニキビとも呼ばれ、ニキビの原因であるアクネ菌が溜まった皮脂を栄養として増殖している状態です。

ニキビの最終段階の症状です。
炎症を起こしたニキビが化膿してしまい、黄色い膿(うみ)となって表面に現れた状態です。炎症が目に見える範囲だけでなく、肌の奥まで広がっている可能性があります。痛みを伴う場合もあり、膿を排出できたとしても、ニキビ跡になるリスクがあります。

最終段階の黄ニキビからさらに悪化した症状です。
症状が極限まで悪化し、毛穴の周りまで広範囲に赤紫~黒紫色に変色した状態です。炎症を繰り返し起こしていると、表面が異常に盛り上がったり、硬くなったりします。ひどい場合だと、複数個の膿が溜まったニキビが、皮膚の下でつながってアリの巣のようになってしまっていることがあります。

人間の皮膚は、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で構成されています。
さらに表皮は、外側から「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4つに分かれています。表皮の一番奥にある基底層では、日々新しい細胞が生まれています。その細胞は少しずつ肌表面へ押し上げられ、最終的には垢となって自然に剥がれ落ちます。
このような、肌細胞が一定の周期で生まれ変わる代謝の仕組みをターンオーバーといいます。
ターンオーバーが乱れると、古くなった角質がうまく剥がれ落ちず、肌表面に残りやすくなります。古い角質が蓄積すると、肌のうるおいを保つ働きが低下して乾燥しやすくなるだけでなく、毛穴の出口を塞ぎ、ニキビの原因につながることがあります。ターンオーバーの周期は、一般的に約28日が理想とされています。しかし、加齢とともにそのペースは徐々に遅くなり、20代では約28日、40代では約55日ほどかかるともいわれています。子どもの頃は傷の治りが早く、大人になるにつれて治りが遅く感じるのも、このターンオーバーの周期が関係していると考えられています。
そのため、ニキビ治療では炎症を抑えるだけでなく、古い角質を整え、ターンオーバーを正常に近づけるケアも大切です。

ニキビは、ひとつの原因だけで起こるものではありません。多くの場合、皮脂の増加、毛穴詰まり、アクネ桿菌の増殖、ホルモンバランスの変化などが複雑に関係して発生します。
皮脂とは、毛穴のそばにある皮脂腺から分泌される油分のことです。皮脂には肌のうるおいを保ち、外部刺激から肌を守る役割があります。しかし、皮脂が過剰に分泌されると、毛穴の中に皮脂が溜まりやすくなります。うまく排出されなかった皮脂は毛穴詰まりの原因となり、白ニキビを形成することがあります。
ターンオーバーが乱れると、古い角質が剥がれ落ちずに肌表面へ蓄積しやすくなります。その結果、毛穴の出口が塞がれ、皮脂や老廃物が外へ排出されにくくなります。
毛穴の中に皮脂や角質が溜まると、炎症を起こしたり細菌が増えたりして、ニキビへと進行していきます。
アクネ桿菌は、皮膚にもともと存在する常在菌の一種です。
通常は肌のバランスを保つために存在していますが、毛穴の中に皮脂が溜まると、それを栄養源として増殖しやすくなります。アクネ桿菌が増えすぎると、肌の免疫反応が起こり、炎症が強くなります。これにより、赤く腫れたニキビや膿を持ったニキビへ進行することがあります。
思春期以降にニキビが増えやすくなる背景には、ホルモンバランスの変化が大きく関係しています。
ニキビに関わるホルモンには、主に男性ホルモンと女性ホルモンがあります。
男性ホルモンの一種であるテストステロンには、皮脂分泌を活発にする働きがあり、皮脂が増えることで毛穴詰まりやニキビの悪化につながりやすくなります。一方、女性ホルモンには主にエストロゲンとプロゲステロンがあります。
エストロゲンは皮脂分泌を抑え、肌のハリやうるおいを保つ働きがあります。反対に、プロゲステロンは皮脂分泌を促しやすい性質があるため、排卵後から生理前にかけてニキビができやすくなる方もいます。生理前になるとニキビが増える、同じ場所に繰り返しできるという方は、ホルモンバランスの影響を受けている可能性があります。
一見ニキビのように見えても、実は別の原因で赤いブツブツができている場合があります。特に、胸や背中、顔の赤みやかゆみがある場合は、通常のニキビとは異なる治療が必要になることもあります。
胸や背中にできる赤いニキビのようなブツブツは、マラセチアという真菌、いわゆるカビの一種が原因の場合があります。これは厳密にはニキビではなく、マラセチア毛嚢炎と呼ばれる状態です。
マラセチアは皮脂を好むため、汗や皮脂が増える夏場や梅雨時期に悪化しやすい傾向があります。また、衣類で覆われて蒸れやすい胸や背中にできやすく、湿気の無い露出部分や乾燥している秋から冬にかけてはおとなしくなります。
顔ダニは、顔ダニはニキビダニとも呼ばれ、正式には毛包虫(もうほうちゅう)と言います。0.1~0.4mm程の大きさで、ほとんどの人の顔に200万匹(1つの毛穴に5匹くらい)常在しているダニです。通常は皮脂を食べながら肌のバランスを保っていますが、増えすぎると赤みやかゆみ、ニキビのような症状を引き起こすことがあります。
顔ダニは夜間に活動しやすいとされており、朝起きた時に赤みやかゆみが目立つ場合は、通常のニキビとは別の原因が関係している可能性もあります。
ニキビは、肌質や体質だけでなく、遺伝や生活習慣も関係します。同じスキンケアをしていてもニキビができやすい方、繰り返しやすい方がいるのは、こうした背景要因が影響している場合があります。
ニキビは、遺伝的な要因も関係しているといわれています。
イギリスで458組の一卵性双生児と1099組の二卵性双生児を対象とした研究が行われました。81%が遺伝的要因、19%が環境的要因に起因するといったデータがあります。このように、皮脂分泌の多さや毛穴の詰まりやすさ、炎症の起こりやすさなどは、体質として受け継がれることがあります。
ご家族にニキビで悩んでいた方がいる場合は、ご自身もニキビができやすい傾向があるかもしれません。現在ニキビがない場合でも、リスクが高いと感じる方は、早めに予防ケアを取り入れることが大切です。
生活習慣の乱れも、ニキビの悪化に大きく関係します。
脂質や糖質の多い食事、乳製品の過剰摂取、睡眠不足、ストレスなどは、皮脂分泌やホルモンバランス、ターンオーバーに影響を与えることがあります。
特に睡眠は、肌の修復やターンオーバーを整えるために欠かせません。
睡眠が不足すると肌の回復力が低下し、ニキビが治りにくくなったり、繰り返しやすくなったりすることがあります。また、受験や就職活動、仕事などによるストレスが続くと、コルチゾールというホルモンの分泌が増え、皮脂分泌や炎症に影響し、ニキビの悪化につながることがあります。
日常生活では、前髪が顔に触れないようにする、洗顔や入浴時に皮脂・汚れ・洗浄料をしっかり洗い流す、枕カバーや寝具など肌に触れるものを清潔に保つことも大切です。
ニキビの重症度は、日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)・酒皶(しゅさ)治療ガイドライン 2023」で示されていて、ニキビの数によって分類されます。

ニキビは、数が少なく小さいうちに治療を始めることで、比較的早く改善しやすい傾向があります。 一方で、重症化・最重症化してから治療を開始すると、保険診療・自費診療のいずれの場合も、改善までに時間や回数がかかることがあります。また、炎症が長引くことで、色素沈着やニキビ瘢痕、クレーター状のニキビ跡が残り、その後の美容面で悩まれる方も少なくありません。 そのため、できるだけ軽症のうちに治療を開始することが望ましいです。
もちろん、重症・最重症のニキビであっても、決して手遅れということはありません。
つらい症状や長引くニキビにお悩みの方は、どうぞいつでもご相談ください。
今回のご紹介はここまでです。次回更新は8月下旬ごろ、「ニキビの保険診療」についてご案内いたします。 ニキビ治療についてご興味のある方、是非お気軽にご相談ください。
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PROFILE

山崎 和紀(やまざき かずのり)
杏林大学医学部 卒業
杏林大学医学部附属病院 勤務
名古屋大学医学部附属病院形成外科 勤務
静岡済生会病院形成外科 勤務
虎の門病院形成外科 勤務
東京西徳洲会病院形成外科部長就任
2018年アンデュースキンケアクリニック院長就任
日本専門医機構形成外科領域専門医
日本美容皮膚科学会正会員
サーマクール認定医
アンデュースキンケアクリニック
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