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2022.12.13【医師が解説】ビタミンC誘導体とは?種類・効果・取り扱い商品

こんにちは、アンデュースキンケアクリニック副院長の浅野です。

今年も早いもので師走に入り、1年の締めくくりの時期になりました。12月は当院で最も予約が混み合う時期でもあり、年末年始に向けて肌のケアをしたい、クリニックでケアした肌の状態を出来るだけ持続させたいなど、多くのご相談をいただきます。

今回は、クリニックのアフターケアにもおすすめ、「ビタミンC誘導体」についてお話いたします。肌に良さそうだけどどのような効果があるのか、どんな種類があるのかなど、よくご質問いただく内容と一緒にビタミンC誘導体を詳しくご紹介します。


【次回の記事】「ビタミンC誘導体配合商品の使用方法やテクスチャ・おすすめの方・まとめ」はこちら


1.ビタミンC誘導体とは?

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1-1.ビタミンCを改良した成分

ビタミンCには高い抗酸化力があり、美容や健康に欠かせない成分のひとつです。当院でもダイレクトに取り込む方法として、点滴治療のメガビタミン点滴(高濃度ビタミンC点滴)が人気です。肌表面からも取り入れるとより効果が期待できますが、ビタミンCは「皮膚に浸透しづらい・空気に触れると酸化しやすい・水に溶かすと効果が失われやすい」といったデメリットがあるため、化粧品などに配合することが難しい成分でした。
そこでビタミンCのデメリットを改良し誕生したのが「ビタミンC誘導体」です。皮膚へ浸透しやすくなり、肌表面では酸化せずに浸透されてから皮膚内部でビタミンCに変換される特徴があるため、従来のビタミンCより高い効果が期待できます。

メガビタミン点滴(高濃度ビタミンC点滴)の詳細はこちら

1-2.ビタミンCから続く長い歴史

16世紀からの大航海時代、長い船旅での保存技術が無かったため野菜や果物などが摂取できず、ビタミンCの不足によって衰弱や出血などが起こる壊血病が多く発生したことはご存じの方も多いと思います。1753年に柑橘類や新鮮な野菜などが壊血病の予防に効果的と見出されましたが、ビタミンCが正式に発見されたのは1920年のことです。その後研究が進み、1940年代にはビタミンC誘導体が食品の酸化防止剤として利用、1960年代にイタリアや日本で外用薬・化粧品として使用され、今日でも医療現場や美容業界で広く扱われています。
当院でも肌表面から取り込む方法として、ケアシス(エレクトロポレーション)の施術が人気です。

ケアシス(エレクトロポレーション)の詳細はこちら

2.ビタミンC誘導体の種類と効果

ビタミンCL-アスコルビン酸と呼ばれる有機化合物で、誘導体として変換する方法によっていくつかの種類に分かれます。種類によって吸収性・持続性などが異なり、それによって肌への効果も違いが出てきます。アセット 24.png

2-1.水溶性(APMAPS

ビタミンCとリン酸を結合させて、ビタミンCの安定性を高めたものが水溶性ビタミンC誘導体です。短時間で皮膚に吸収されるため、即効性が高いことが特徴です。肌に塗布すると純粋なビタミンCよりも数十倍の浸透力があります。尚、肌の中での持続時間は約12時間です。
メラニン色素を還元し、シミやそばかすを予防・改善する働きがあります。また、皮脂のコントロールに優れるため、皮脂の過剰分泌によるニキビなどの改善にも効果が期待できます。
リン酸アスコルビルMgAPM)やアスコルビルリン酸NaAPS)などが水溶性のビタミンC誘導体にあたります。

2-2.油溶性(VC-IP

本来ビタミンCは水にしか溶けない性質で、クリームなど油分のある化粧品には配合することは不可能とされてきました。この問題を解決するために、ビタミンCに脂肪酸を結合させ開発されたのが油溶性ビタミンC誘導体です。浸透性が高く、肌に塗布すると純粋なビタミンCよりも約30倍の浸透力があります。また、油に溶けている状態のため保湿力に優れ、長時間皮膚の中で効果が持続し、その効果は約48時間以上と言われています。
テトラへキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP)が油溶性のビタミンC誘導体にあたります。

2-3.両親和性(APPSGO-VC

水溶性と油溶性の両方の性質を併せ持ち、即効性と持続性に優れたビタミンC誘導体です。
APPSは浸透性が非常に高く、従来のビタミンC誘導体の100倍以上という結果が報告されています。その高い浸透力により、真皮層まで確実にビタミンCを届け、活発にコラーゲン合成を促進します。尚、試験結果によりシワ改善、美白効果、ニキビへの効果が実証されています。
GO-VCは保湿作用のあるグリセリンと抗菌作用のあるオクタノールを結合した両親和性のビタミンC誘導体です。APPSと比較すると浸透力は劣りますが、メラニン産生抑制作用、高い保湿作用やニキビの改善作用などが特徴です。
パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS)、カプリリル2-グリセルアスコルビン酸(GO-VC)などが両親和性のビタミンC誘導体にあたります。

3.ビタミンC誘導体配合の取り扱いスキンケア商品

当院では、ホームケアとしてビタミンC誘導体を配合したスキンケア商品の取り扱いも行っています。私自身も7~8年前から使用していますが、とにかく肌の状態が良くなり、家族やスタッフにも勧めています。今回ご紹介する商品の中には、老化の原因"活性酸素"を無害化する「フラーレン」を含む商品も複数ありますので、ビタミンC誘導体の効果に加えてさらに皮膚の老化を抑制する複合的な効果が期待できます。フラーレンも非常に良い成分ですので、ブログでも改めて取り上げたいと思います。


【ハーヴェストレインシリーズ】

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ハーヴェストレインシリーズは保湿ケアに着目したシリーズで、水溶性・油溶性のビタミンC誘導体をバランスよく配合しています。また、分子の大きさの異なる3種のヒアルロン酸を配合しており、肌の各層にうるおいを補給します。私はこちらのジェルを使用していますが、べたつきが無いのに肌がプルプルに潤うので1年を通して使用しています。
(ハーヴェストレインモイスチャーローション200ml3,960、ハーヴェストレインモイスチャージェル60g¥4,840


【ダーマサイエンスシリーズ】

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ダーマサイエンスシリーズは、スキンケアの要であるクレンジング&洗顔の商品がラインアップしています。洗い流すものですが、贅沢にビタミンC誘導体を配合しており、洗顔時に使用する水道水に含まれる塩素ラジカル(肌に触れると老化の原因となる"活性酸素"を発生させます)をシャットアウト。長年愛用していますが、もうこれ以外使えないくらい信頼しています。
DPクレンジングミルク150ml4,840DP洗顔フォーム120g¥4,840

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ダーマサイエンスシリーズの基礎化粧品は美白ケアに着目したシリーズで、ビタミンC誘導体とフラーレンをバランスよく配合しています。フラーレンとは強力な抗酸化力を持つ成分で、老化の原因である活性酸素を除去します。また、ビタミンCなどの有効成分の働きを助ける性質もあります。ローションは水溶性と両親和性(GO-VC)、クリームは油溶性のビタミンC誘導体を配合しているため保湿力にも優れており、当院でも人気の商品です。
DPローションテクノホワイト100ml8,140DPクリームテクノホワイト50g11,000


【ジュディシュプリシリーズ】

ジュディシュプリローションクリーム.png

ジュディシュプリシリーズはシワ・たるみケアに着目したシリーズで、両親和性(APPS)のビタミンC誘導体とフラーレンを贅沢に配合しています。私はこのシリーズが特に気に入っていて、7~8年前から愛用しています。真皮層まで浸透するAPPSは肌深部で活発にコラーゲン合成を行う作用があり、シワ改善やハリ向上に効果が期待できます。ローションはさっぱりした使い心地、クリームはしっとりとしたテクスチャですが、どちらもべたつきがないので朝のスキンケア後の化粧ノリも非常に良いです。
JSローション100ml13,200JSクリーム35g16,500

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ジュディシュプリシリーズのプラスアルファ商品である、ナイトセラムと美容液も両親和性(APPS)のビタミンC誘導体を贅沢に配合しています。夜専用のナイトセラムは、洗顔後に一番初めに使用することでブースターの役割を果たし、その後に使うローションやクリームの浸透性をさらに高めます。ナイトセラムはフラーレンが含まれませんが、特殊製法で安定化させたピュアビタミンCフリー体を配合しており高い即効性が特徴です。私は集中ケアとして目元に使っていますが、使用し始めてからハリが出ているのを感じます。
美容液は、つくりたてのAPPSが使用できる小分け式です。APPSパウダーとフラーレン配合の美容液を自分で混ぜることで、より鮮度の高い状態でビタミンC誘導体を肌に届けることが出来ます。
JSナイトセラム20ml10,340JS美容液4本セット(0.3gパウダー×4、美容液50ml)¥18,700


今回のご紹介はここまでです。次回更新は12月20日(火)、「ビタミンC誘導体配合商品の使用方法やテクスチャ・おすすめの方・まとめ」についてご案内いたします。

ビタミンC誘導体についてご興味のある方、是非お気軽にご相談ください。

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最後までお読みいただきありがとうございました。今後も当院で人気の施術について情報を発信していきたいと思います。また、LINE公式アカウントでもお得な情報などを配信していますので、画面右下からLINE友だち登録をお願いいたします!

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PROFILE

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浅野 さおり(あさの さおり)

徳島大学医学部医学科 卒業
横浜市立大学大学院博士課程修了
横浜市立大学形成外科、他関連病院 勤務
2016年アンデュースキンケアクリニック 入職
2020年アンデュースキンケアクリニック副院長就任

医学博士
日本形成外科学会認定専門医
サーマクール認定医


アンデュースキンケアクリニック
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